こんな病名知っていますか?【脳脊髄液減少症】を知って下さい!

 

 

【脳脊髄液減少症とは…】
脳脊髄はその周囲に脳脊髄液が存在し、硬膜という膜に包まれています。
脳脊髄液は無色透明な液体で、脳脊髄に浮力を与えて脳脊髄を保護する役割をしています。脳は取り出すと約1500gありますが、身体の中では脳脊髄液の浮力のため約50gの重さしかありません。
脳脊髄液の量が減少すると、浮力の影響が少なくなった脳脊髄は下方に移動し(沈み)、硬膜内の圧を一定に保とうとして脳脊髄の血管が膨張します。
『脳脊髄液減少症』とは、脳脊髄液量が減少することで出現する様々な症状のことをいいます。
オイル(潤滑油)不足でエンジンを働かせている状態を想像してください。

 

【脳脊髄液減少症の原因は…】
身体に衝撃が加わった時に硬膜内(脳脊髄液の)圧が急激に上昇して、硬膜の弱い部分が損傷を受けて、脳脊髄液が硬膜外に漏れ出ることが原因と推測されています。
身体への衝撃というと、現代社会では交通事故が一番多いそうです。
そのほかにも、転落・転倒などといったケースも多いようです。
中には、激しい咳き込みや分娩によってなってしまう場合もあるそうです。
殆どの場合、整形外科で受診をし、頚椎捻挫またはむち打ち症と診断されることが多いようです。
脳脊髄液減少症は脊髄硬膜の損傷による脳脊髄液漏れですので、脳神経外科の専門分野となるそうです。

 

【脳脊髄液減少症の主な症状として・・・】
脳脊髄の潤滑油である脳脊髄液が減少すると、脳脊髄由来の様々な症状が出現します。頭痛・頚部痛・背部痛・腰痛・手足の痛みをはじめとし、眩暈・耳鳴り・聴覚敏感・ふらつき・視力の低下・微熱・体温調節障害・動悸・呼吸困難・胃腸障害・味覚、臭覚障害など、様々な症状が現れます。
その他に、記憶障害(物忘れ)や集中力の低下、無気力などがあります。
症状の組み合わせは、人それぞれ違います。
脳脊髄液の漏れは、横になっていると止まるか少ないのですが、起き上がると多くなります。従って、起き続けていると症状が辛くなってくるのが最大の特徴です。

この症状から診断されやすい病気として・・・
脳CTやMRIでは、異常所見が現れないことが多いため、異常なしと診断され、ストレス性の病と診断されることが多いです。
病名としては、自律神経失調症(小児の場合は起立性調節障害)・メニエール病・更年期障害・心身症・うつ病などと診断されていることが多いそうです。
検査の結果、脳に異常が見られないため、心の病と診断され、心療内科や精神科などで治療をされている方が多いようです。

 

【 検査方法は・・・】
専門医の場合、問診で7割がたわかるそうです。
まず、脳MRI検査で脳が沈んでいないかを確認します。
次に、脊髄MRミエログラフィーで脳脊髄液が漏れていそうな場所を推測します。
最終的には、RI脳槽シンチグラフィで脳脊髄液が漏れていることを証明します。

 

【治療法としては・・・】
脳脊髄液減少症は、病気ではなく怪我に分類されるそうです。
脊髄硬膜の骨折とイメージしてください。
例えば・・・
手足の骨を骨折した時に、患部にギブスを巻き、安静にしていると、人間の自然治癒能力によって骨は自然にくっつきますよね?
それと同じく、怪我をした直後から半年以内の場合は、水分を十分に摂り、脳脊髄液が漏れだしにくい横になった姿勢で安静にしているだけで治る場合が多いそうです。
但し、『脳脊髄液減少症』と言う病名は、あまり知られていないため、この病名を理解している医者に辿り着くまでにかなりの時間が経過してしまい、急性期に自然治癒する機会を逃してしまうケースが多いそうです。
慢性期で自然治癒が期待できない場合は、自分の体に怪我をしたと言うことを再度認識させるために、脳脊髄液が漏れている傍の脊髄硬膜外腔に自分の血液を注入して人工的内出血を生じさせ、炎症を起こして自分の治癒能力を引き出して治るのを待つしかないそうです。これが『ブラッドパッチ』と言う治療法です。
『ブラッドパッチ』の後は最低二週間ほど安静臥床する必要があるといわれています。できれば四週間、その後も安静は長いほど良いそうです。

残念ながら一度のブラッドパッチで完治する例は少ないそうです。


初回のブラッドパッチを受けてから三ヶ月ほど経過を観察し、再度ブラッドパッチが必要であるか否かを判断するそうです。

なので、ブラッドパッチ後は、ただひたすら水分を取り安静にすることが必要だそうです。
患者さん元患者さんの努力で社会問題となり、外傷後の脳脊髄液減少症は病気の可能性があると判断され、現在は厚生省の班研究が行われていますが、医学会ではまだ病気として認められていません。
ブラッドパッチ治療は健康保険の項目に無いため、健康保険は使えません。即ち10割負担になります。

 

 

小児例で主に診断されやすい【起立性調節障害】との違いは、正午近くなってから体調が悪くなるか、夕方・夜になると体調が良くなるかで判断されるそうですが、症状が酷似しているため判断は難しく、また、MRI検査などの画像診断でも脳の沈み方が一般的な許容範囲内と見なされる場合が多いため、専門医以外の診断は非常に難しいようです。
そのため長期にわたり原因や病名が特定できないため苦しんでいる患者さんは非常に多いのです。

心因性の病との違いの判断方法のひとつとして、心理学的な見解から申し上げますと、心因性の病の場合、一般的に楽しい事をしている時は、痛みを軽減されますが、この病気の場合、楽しい事をしている時でも痛みが継続される事や、症状がだんだん悪化する事なども注意点となります。

 

現在の医学水準では病気として認められず、学会がようやく興味を持ち始めたばかりのようです。
専門医に巡り合えるだけでも幸せなことかも知れません。
この病気について、多くの方に正しい認識を持って頂きたい事と一日も早い理解の下で、多くの方たちが治療を受け、本来の健康な体を取戻して欲しいと願わずにはいられません。

 

 

 

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